「踊りたくなったら踊って、歌いたくなったら歌って、描きたくなったら描いて良いよ」
簡単な挨拶のあとは早速ライブスタートです。
TATSUMAKIの演奏が始まり、僕が絵を描き始めると子ども達はすぐに立ち上がり、
僕らのすぐ近くまで駆け寄ります。
子ども達のスイッチが入るのがあんまり早かったんで僕らは驚きました。
女の子が絵に近づいてじーっと見ているんで、
「描いていいよ」ってクレヨンを拡げたら、それをきっかけにドドドーっと、、、
あっという間にキャンバスの前には子供達の群れ。
我先にと絵を描きはじめます。
バンドの周りにも子供達が輪を作り、手拍子をしたり、体を揺らしたり。
知っている曲のときは大きな声で歌っていました。
子供達のあまりの元気の良さに少々、押され気味な僕らでしたが、そこは負けていられません。
さらに力一杯、演奏し、絵を描きます。
1人の子は僕に言いました。
「どうしたらそんな上手に絵を描けますか?」
僕は言いました。
「考えずにイメージして。上手に描こうと思わなくて良いよ」
あっという間に絵が埋まっていきます。
描く場所が無くなると絵の上に絵が重なり、さらにその上に模様が入り、、
最後はぐちゃぐちゃ。
でもとっても楽しいぐちゃぐちゃ。
ライブも終盤。
クレヨンもずいぶん短くなってきました。
今回、僕の両親も見に来ていたんですが
気がつくと体育館の後ろのほうで両親と子供達が手話で会話していました。
学校の授業で習ったそうです。
父も母もすごく嬉しそうにニコニコ。
絵は一足早く完成。
最後の歌は僕もみんなと一緒にバンドを囲み、体を揺らして歌いました。
その光景があまりにも凄くて、、、
まるで演出された劇でも見ているかのようにみんなが1つになっていました。
小島小学校のみんな
先生方
PBC実行委員会の皆さん
TATSUMAKI
母校という事もあって、忘れられない一日でした。
どうもありがとう。
[大宮ろう学校 N先生より。]
門さんとの最後の授業。
みんなで描いた絵を飾って、
その前で門さんの言葉を聞いて
寄せ書きを渡した。
初めて門さんが
手話で子どもたちにしゃべるのを
見た気がした。
2年間来ていたというのに。
あとで聞いたら
今まで意識して
手話で説明したりせず
直接やってみせるようにしていたそうだ。
説明すると理解力で
差が付いちゃうからって。
気付かなかった。
むしろ理解できる子のために
説明を入れなきゃ、っていつも思っていた。
私にとっては未熟な手話で
ちゃんと説明することの方が難しかった。
でもそこですでに
図工だというのに国語とか別の課題を
持ち込んでいたんだ。
ろう学校では
どんな時でも常に言葉の勉強がついて回る。
給食を食べる時でも「これの名前は?」
絵を描く時でも「これの名前は?」
そうしないと子どもたちの語彙が増えないから
経験に結びつけて一語でも多く覚えさせようとする。
でも道具の名前なんて知らなくても絵は描ける。
そこまで解放されていたから
子どもたちは心から楽しんで
伸び伸び絵が描けたんだなあ。
私もなるべく伸び伸びさせてるつもりだったけど
スタートから全然違ったんだなあ・・・。
言葉を覚えるのも大事だけど
たまには言葉のいらない世界で
伸び伸び自己表現出来る時間も必要ですね。
門さんありがとう。
門さんは立派な先生でした。
また遊びに来て下さいね。
耳を当てるとワイワイガヤガヤにぎやかな声が聞こえてきそうです。
世界中のすばらしい芸術家をどんなに集めても
決して描けない絵。
世界中のどの国の子どもにも描ける
笑い声の聞こえる落書き。
丸一日かけて大きな大きな大きな絵は完成しました。
本屋さんで手にしたオシャレな手話の本を通して門さんに出会い、数年が経ちました。
何かあるたびに[RING BELLS]を開いては、自分の気持ちを素直に表現して、目の前にいる大切なひとに「あなたは私の大切なひと。」と伝えることの大事さや暖かさを確認してきたように感じます。
門さんのメッセージはいつもとても暖かいです。
昨年の[LIVE"RING BELLS"]についてブログで拝見し、大宮ろう学校の先生方の想いや、子どもたちが表現を楽しみながら門さんやアーティストの方々とやりとりを深めていく過程が印象に残りました。
今年も開催されると聞き、なんとか会場に行きたいな…と思っていたところ、タイミング良く仕事が休みに!
友人を誘って大宮へと向かいました。
体育館には子どもたちが門さんと一緒に描いた絵が展示されていましたが、とっても小さな絵からダイナミックな絵まで、どれもほんとに『お喋りな絵』で。
リハーサルをされている山北さんのリズムの迫力に圧倒されながら、子どもたちは今日のパフォーマンスをどんなふうに感じ、受けとめ、表現するんだろう…とますますワクワクしてきました。
アマドリさんの優しい歌、愛がいっぱいのフラ、熱いパーカッション、一体感に包まれたプロペラさんの演奏。
そして、それを暖かい視線で見守り、少しずつ少しずつ形にしていく門さんの手。
沢山の『手』から発信されるいろいろなカタチのメッセージに、手ってほんとにお喋りだなぁ…って感じました。
それと同時に、表現手段はひとつじゃない。大切なのは、自分が何を伝えたいのかってことだなぁと感じました。
ゆっくりと埋まっていくダンボールのキャンバスと、楽しさを全身で表現する子どもたちの笑顔、表にはあまり出さないけれど、全身をアンテナにしてメッセージをキャッチしようとしている中学部の子どもたちの表情が印象的でした。
短時間であんなに盛り沢山な『本物』に触れられる機会ってなかなかありません。
観客として観ていた私も友人も、とても刺激を受けました。
子どもたち、特に思春期に差し掛かっている子どもたちには、どんな風に響いたのでしょう。
日々色々な思いを抱えているであろう子どもたちにとっても、あの場で感じたことが、素直に自分を表現し、前に進むエネルギーになっていたら嬉しいな…と感じました。
(チャンスがあれば、子どもたちの感想が聞いてみたいです。)
大宮で門さんにお会いできたこと、門さんを通して出演者の方々や子どもたちと同じ時間と空間を共有できたこと、私にとっては、2006年でいちばんのニュースです。
ほんとに、行ってよかった!
私はいま養護学校で働いているのですが、いつか、授業でなくても、こんな機会が作れたらいいな…と感じました。
門さん、これからも子どもたちと沢山の絵を描いてくださいね。
で、いつか京都にも来てください。
またお会いできる日を楽しみにしています。
(京都府・KW)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんにちは。
先日の大宮ろう学校でのライブ、とってもとっても楽しかったです。
ほんとうにどうもありがとうございました。
体育館に飾ってあったこどもたちの絵、どれもこれもあたたかくて素敵な絵ばかりで
した。
門さんの絵も真っ青ですね(笑)
こどもってどうしてあんなにも素敵な絵が描けるんでしょう。
きっと、何も考えずあるがまま、思ったまま描いているからなんでしょうね。
新宿での門さんのライブペインティングには参加できませんでしたので、自分にとっ
て「ライブペインティング」というのは、大宮ろう学校で見たのが初めての経験でし
た。
楽しかったーーーーー。
ほんとーーーーーに、贅沢なライブでした。
アマドリさんの素敵な声と歌に聴き入り、波が打ち寄せ、風が舞うかのようなフラに
こちらの身体もふわり、ふわりと揺れる中、門さんの絵に目をやると、
「おーーーー! 風さんの絵も波に揺れているーー♪」
と、しばしの癒しの時間に浸らせていただきました…zzz。
それから山北さんの軽快なリズムに気持ちも踊り、プロペラで爆発!
もーー、とにかくすっごいおなかいっぱい、大満足させていただきましたm(__)m
大宮ろう学校のこどもたちも最高! 最後はすごいノリでしたね。
みんなが笑顔、笑顔、笑顔。
こっちもつられて笑顔になりました(*^-^*)
そして、元気いっぱいのこどもたちにつられ、音楽の楽しさにつられ、一緒になって
思いっきりジャンプしちゃいました(笑) あーーー、楽しかった。
そして、そして門さんの絵。
さまざまなメロディの中、着々と姿をあらわしてゆく門さんの絵。
段ボールのキャンパスに徐々にゆら〜…、ゆら〜…と門さんの指先から現れる絵は、
なんだろう…、その手がどんどん広がっていくように見え、こどもたちを包んでゆく
ように見えました。
とてもとても感動しました。
人が絵を描く課程を最初から最後まで見たのははじめてです。
でも、なんていうんだろ…。
絵を「描く」というより、
音楽のリズムや歌や踊りや…にわくわくした、こどもたちの手を通して、門さんの手
を借りて、クレヨンたちもいっしょに段ボールの上で自由に遊んだ跡…って感じでしょ
うか…(笑)
踊りも終わり、歌も音楽も止んだあと、残ったのはビニールの上の残骸。
なんか、いいなーーーって思いました。
ビニールの上に残ったのは、段ボールの上で遊びきったクレヨンの残骸なんですが、
そこには「残骸」からイメージする冷たさやさみしさじゃなくって、あたたかさ…。
散乱したクレヨンにさえも、ぬくもりが残っているようでした。
それは、こどもたちの笑顔の余韻でもあるかのような…。
素敵な空間にいさせてもらうことができたことに、感謝!です。
ありがとう、門さん。
当日の準備にあたった大宮ろう学校関係者の皆様、出演された皆様、こどもたちーーー
ー、みなさまに「ありがとう」です。
ちーぱーより
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
門さんのライブペイントを見に行ったのは2回目だった。
以前個展を観に行った時、門さん自身から今度私たちが行うイベントの参考になるから、ということでお誘いを受けた。
「聞こえない子どもたちが音楽を聴いて飛んだり跳ねたり笑ったり泣いたりする」
それが本当なのかどうか、とにかくこの目で見てみたいという好奇心と
門さんのライブペイントをまた観ることが出来るという嬉しさに胸を膨らませて
大宮ろう学校へ到着した。
まずアマドリさんの歌。
個展の時に一度聴き、とても素敵な歌声と温かみやユーモアを持っている方で、
もう一度どこかで聴けたら、と思っていたのでとても嬉しかった。
次にフラ。
映画「フラガール」を観た後だったので自然にあの世界観に引き込まれた。
そしてパーカッショニストの山北さん。CDで拝聴していた事がありその時既に
鳥肌が立つ程の演奏だったのでライブでお会い出来てとても嬉しかった。
自分がダンスをやっているのもあり、フラもパーカッションも体の中から、心の底から楽しんだ。
最後のプロペラさん。これには参った。
ファンキーなおじ様方−お一人女性の方がいらっしゃるのですが−が出てきたと思ったら
子どもたちがどんどん立ち上がって笑いながら踊り(暴れ?)始めたのだ。
プロペラさんのソウルフルなパフォーマンスにも圧倒されたが
子どもたちが作り出す会場の一体感に「アウトサイダー」ではいられない、と
負けずに私も笑い、そして手足を動かした。
とにかく楽しくてしょうがなかった。会場中皆笑顔だった。
出来上がった門さんのライブペイントもまた素晴らしく、本当にあの場に居れた事を幸せに思う。
今度行うイベントの参考にしよう、と思って訪れたLIVE“RING BELLS”。
結果的に私は完全に「お客さん」となっていた。しかしそれでいい。
素晴らしいパフォーマンスと素晴らしい観客で作り上げられた
あの会場だったからこそ私は自分の任務を忘れ楽しさに没頭したのだから。
魂を持って、気持ちを込めてパフォーマンスをすれば必ず観ている側の魂に響く。
その事が身を持って分かった。
この素敵な機会を与えて下さった門さんに、そしてあの場を作り上げた
全ての方々に感謝して今回の感想文を終えたいと思います。
ありがとうございました。
慶應義塾大学四年 河京子
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いよいよラスト。
昨年に引き続き登場のプロペラです。
ここで僕は驚きました。
昨年のライブを見ていた小学部の子供たちが
プロペラのメンバーがステージに現れた瞬間、総立ちになったんです。
ボーカルのユウタロウさんがマイクスタンドの前に立つと
子供たちはユウタロウさんを取り囲むようにワーッと前に集まってきました。
今回初めて参加する中等部や植竹小学校の子たちは、これから何が始まるの?という顔。
会場がざわめきます。
そんな中、プロペラのストレートなロックンロールショーのはじまりです。
プロペラの「ロック」は
まるで荒れ地のど真ん中を大股で走り抜けるように痛快で、
泥だらけの顔で笑う子供の笑顔のようにキラキラしてて
そして何より優しい。
まるで彼らの音楽はここで生まれたかのように会場に染み渡っていきます。
ぴょんぴょん飛び跳ねる子。
くるくる回る子。
エアギターをかき鳴らす子。
子供も大人も関係なく
みんなの顔が同じになっていくのが見えました。
プロペラのメンバー。
ギターの塔子さん、ベースの谷崎さん、ドラムの傭平さん、ボーカルのユウタロウさん。
それぞれが指文字と手話で自己紹介。
ライブ後半ではドラムの傭平さんが男の子を膝に乗せ、手を添えて一緒にドラムを叩きました。
ここで僕の絵も完成。
最後はみんな揃ってジャンプ、シャウト。
体全体で演奏し、唄うプロペラの音楽が音じゃなくなる瞬間。
先生方も、一般から参加された方も、最後は子供たちと一緒になって大きなうねりの中にいました。
ライブ終了。
子供たちと出演してくれたアーティストたち、学校関係者、関係スタッフ、一般参加のお客さん
みんなが入り交じって一緒に写真を撮ったり握手したり、中には抱きつく子もいたりして
とても柔らかい時間でした。
この企画を進めてくれた先生、学校関係者の皆さん。
大宮ろう学校、植竹小学校のみんな。
出演してくれたアーティストの皆さん。
スタッフの皆さん。
集まってくれたみんなに感謝します。
どうもありがとう。
[ライブ終了後。プロペラより]
〈ベース/谷崎浩章〉
今年も大宮の友達に会いに行きました。
一年前に比べ、ずいぶん大きくなってるヤツ、ぜんぜん変わってないヤツ。
そして友達の数がずいぶん増えていましたね!?
去年はみんなのノリに圧倒されてしまったので、
「負けてはならぬ!」と衣装もバッチリ、リーゼントもキッチリと決めてGO!!
しかし・・・あなどれないぜ、ガキんちょ共。
AMADORIで漂い、
フラでほぐして、
パーカッションのリズムを蓄えたヤツらの心と体は
更にパワーアップしてやがった・・・!
相手にとって不足ナシ。
♪・・・冬の体育館にロックンロールのRING BELLSがガランガランと鳴り響きました。
来年もヨロシクな!大宮のロックンローラ?!!
最後に、KADOさん&共演の皆さん、先生方&ALL STUFF、
授業参観してくださった方々、昨年同様音響機材にて御協力をいただいた熊
谷HEAVEN'S ROCK、
ありがとうございました!感謝致します!!
〈ドラム/堀之内傭平〉
大宮ろう学校での2回目のライブは「授業参観」と言う形で演らせて頂きました。
去年、僕ら自身が構えてライブに挑んでしまった事を恥じて今回は飾らない気持ちで演奏する事が僕のテーマだったんだ。
ライブが始まると僕ら含め体育館中が無邪気だったね!嘘の無い笑顔はココロに届きムネを揺らすって実感したよ。
今問題になっている、いじめ→自殺の渦中となる年齢の子供達。僕は思うんだけど、子供達のココロの宇宙はまだ、家庭50%学校50%なんだよね。家や学校で起こったほんの些細な事でも世界をぶっ潰す程の大事件になって自分に向かって来るんだ。そりゃあシンドイよね!でも少しづつでも前に進むと、友達と過ごす楽しさを知る。大好きな人との恋を知る。追いかけていきたい夢を知る。勉強を知る。スポーツを知る。旅行を知る……僕らの暮すこの星はこんなに大きいんだって感じる日が来る。新しい感覚との出会いが、ココロ奪われる瞬間が今ある宇宙の%をどんどん進化させてくれる。絵、パーカッション、踊り、歌、ギター、ドラム、何でもいい!一瞬でも みんなのココロの1%になれたら嬉しいです。
ホントにありがとうごさいました!!
門さん、先生方、協力し参加してくれた全ての方々、そして生徒のみんな。またね!
〈ギター/千井塔子〉
昨年の「のばら祭」に続いて今年も参戦(笑)させて頂いきました。
昨年学んだ事、それは「ありのままでいいんだ!」という事。そして今年、早速実践。いつもやってるライブ通り、下北沢や渋谷や名古屋や大阪や岡山や仙台でやってる通りに…やりました!!!!
去年よりずっと前にせり出て来てヤル気十分な生徒さん、そして先生(笑)。きっちりハートわし掴みにしてやったぜぇ!
きっと彼等はこの1年間で5cm以上背が伸びてたり、上履きが入らなくなったり、嫌いなものが食べられるようになったり、好きな人が変わったりしたんだろーなー…。
もし、また来年会えるとしたら自分は何でもいいから5cm伸びてるかな?一杯歩いて何足も靴つぶしてるかな?パクチー食べられるようになってるかなあ?まだ懲りず恋とかしちゃうのかなあ!?
またみんなに確かめてもらお!
あの体育館に呼んでくれたKADOさん、大宮ろう学校の先生方、生徒さん全員、共演者の皆さん、本当に感謝&また宜しくです!。
〈ボーカル/羽原裕太郎〉
”SMILE AGAIN”昨年呼んでもらった時の学園祭のタイトル。笑い合った事があるから使える言葉だよね。その言葉通り大いに”SMILE AGAIN”し合ってるみんなは、おぼろげに浮かべてた想像をまるで覆すハツラツやヤンチャや恥ずかしいやビックリ顔で初めて会った僕を瞬く間に微笑みの渦へと巻き込んでくれたんだよ。そして約束した「またね!」・・・・約束通り今年もみんなに会えたことを門さんや先生たち、関係者のみなさんに感謝です!
今回、昨年会ったみんなとはまさしく”SMILE AGAIN”だったね。それにしてもなんだか一段と元気になりやがって、さあかかってこい!つーかあまりの勢いに悔しいかな2,3歩後退してしまったりもしたんだな。ガキ共め!なかなかやるじゃん!まるでみんなの怪獣ごっこや鬼ごっこに混ぜてもらってさあ、汗だくになった顔を突き合わせてハーハー言い合ってる感じ。あの空き地の雑草の匂いと土ぼこりの真ん中でキラキラ光ってたワクワクやハラハラに僕はすっかり引き戻されてたよ。とうとう引き分けにさえ持ち込めず、オラの負け。だね。嬉しい完敗!
そして今回初めて合った中学のみんな。ちびっ子のハジケっぷりを微笑ましく見つめてたあの子や目が合うとうつむいたあの子。無関心そうな子、中学の頃の僕は彼だったかもな?ちびっ子達との格闘の傍らそんな思いも巡らせてたらもう最後の曲。すると、1曲目からスクリーンの歌詞をずっと強い視線で追い掛けてたあの子が、1番最初にハジケたっ!!僕にはそう見えた。そして他のみんなも彼女に続いたっ!!
昨年、僕が巻き込まれた渦に初めて合った中学のみんなも体ごとやって来た!・・・。
”SMILE AGAIN”さーて、今度はみんなで誰を巻き込もうかぁ〜
僕は子供たちに、
手は言葉にもなるし、楽器にもなるということを見せたかった。
今回、初登場のフラダンス、パーカッションで“手”が「踊る」ところを見て、
何か感じてくれてたら良いなぁと思います。
[ライブ終了後。山北健一より]
この日は、少し寒かったですがほんとにいいお天気に恵まれました。
授業の中で行われるため朝はいつもより早起きしました。
普段はライブハウスやクラブ、野外イベントなどで演奏しているので体育館はどんな響き方をするのか楽しみでした。
セッティングを終え少し音をだしてみると床全体も振動しソロ演奏には好感触。
ライブはAMADORIさんの優しい歌に始まり、フラダンスのKA LEI LEHUA MAKAMAE さんではみんな参加してなごやかな雰囲気に包まれました。
次にパーカッションのライブ。
一曲目が終わると熱い拍手をいただきました。
確信した私は集中力がとぎれることなく最後まで演奏できました。
次にストレートなロックバンドPROPELLRさん。
一曲目からみんなの心をとらえ、その盛り上がりはとどまるところを知りませんでした。
あっというまに最後の曲になり、立ち上がり踊り最高潮に達しました。
大きなキャンバスには門さんの思いとミュージシャン、リスナーがリンクしたコラボレーションの記録として刻まれました。
今回は通常の授業の中ということで時間に制限がありましたが
アーティストもリスナーも最後まで集中でき充実したパフォーマンスが出来たのではないかと感じました。
2006年11月24日に演奏を聴いてもらい、卒業し何年かが経ち、いつかどこかのライブハウスやクラブで再会出来たら素敵だなぁと思いました。
山北健一(パーカッショニスト)
それを見ていた他の子供たちもドドッとキャンバスに向かって走り出し、
キャンバスの周りはさながらバーゲンセール会場のようになりました。
我先にとクレヨンを持ち、絵を描きはじめる子。
文字を書く子や僕の絵に色を塗る子、グルグルやグチャグチャを描く子。
みんな大興奮です。
最初のうちはやんちゃな子が他の子を押しのけたりして無法地帯のようになるんですけど
そのうち大きい子が小さい子にクレヨンを渡してあげたり、絵を描くスペースを作ってあげたり。
僕や先生が何も言わなくてもちゃーんと仲良くしてました。
こういった光景は僕の授業の中でもよく見られる光景です。
1クラスの人数が少ないせいもあるのかもしれませんが
子供たちは普段の教室でのコミュニケーションの中でお互いの性格をよく知っています。
さらに大宮ろう学校では学年の違う子供たち同士の交流も多いので、高学年の子たちが
自然と低学年の子たちのサポートをする場面もよく見ます。
この日のように、ライブで興奮した状態の中でも子供たちはみんなニコニコして
みんなが仲良く1つになっていました。
僕はこの光景に出会うたびに涙が出そうになります。
なんだか幼き日の父や母に会えたような気がして。
なんだか子供たちが光り輝く未来を見せてくれているみたいで。
心から
「みんなどうもありがとう」
さて、
いよいよ後半スタート。
山北健一さんの登場です。
僕には大きな大きな真ん丸に見えてとっても素敵な光景でした。
[ライブ終了後。Ka Lei Lehua Makamae 瀬戸口 真弥より]
フラダンスと聞いて初めての方はタヒチアンダンスを想像される方も
少なくないのですが本当はHULAって言葉が既にハワイ語で「踊る」と
いう意味だからフラダンスと言うと「踊り、踊り」になってしまいますね。
ハワイの人にとってのHULAは心臓の鼓動と言われるように長い間
文化や神話を書いて残すことがなかった為に全て踊りや歌によって
口承で伝わってきました。
手や表情で物語りを伝えることから、日本では手話と似ているという方も
います。
今回、門君からろう学校で子供達にHULAを踊ってみない?というお誘いが
あった時にすぐに「やってみたいな!」って思ったのは手話ではない表現の
HULAが子供達にはどう感じてもらえるのかな?と。
本番が始まってみたら、広い体育館は小さな子供達のエネルギーで既に
キラキラしていて、みんなは座って見ているだけでは我慢できない状態!
途中でみんなで踊りましょう!って事になると、わっ〜と前の方まで
押し寄せてきて、一生懸命真似して踊ってくれました。
これには、感動!!
これまで踊ってきた中で、1番いい反応だったのでは?というくらい
逆に見守ってもらえていた感じ。
きっとこの日を準備してきた先生方や門君の温かい気持ちが
子供達にも伝わっていたのでしょうね。
この日に踊った曲の中の3曲のテーマは「Wonderful World」。
この地球に生まれてきて、素晴らしい世界に感謝しよう!
人間も動物も植物も鉱物も全ての生命体がひとつの大きな命の
サイクルで、繋がっているという歌でした。
大人になると、素直に気持ちを表現するのが恥ずかしかったり、
目立つことを恐れたり、隣の人と違う事をしてはダメ、とか
心にたくさん壁を作って自分を守るようになるけど、
これからは、違うことが楽しいこと、という考え方にシフトしていくと思う。
目に見えることだけを信じるのは20世紀までで、終わり。
これからは目に見えないこと、耳に聞こえない音と繋がる世界。
当たり前に思える、命の奇跡に感謝しよう!
あそこにいた全ての子供達がそのことに気付いて、時代遅れな偏見に
惑わされないようにと心から願います。
こういうチャンスを頂けた門君にも心から感謝しています。ありがとう!
Ka Lei Lehua Makamae
瀬戸口 真弥
まずは僕とA先生で集まってくれたみなさんにお礼のあいさつ。
堅苦しい話はなしで早速始めます。
「みんな自由に楽しんでくださいね!」
[AMADORI]
まず最初はAMADORI。
彼女が歌うのは[BEAUTIFUL WATER]という曲。
この曲は、映画「いちばんきれいな水」(加藤ローサ主演)の主題歌でもあるのですが
2005年の大宮ろう学校ライブにも出演してくれた彼女は
そのライブ後に子供たちの事を思い浮かべながらこの曲を書き下ろしたそうです。
だからどうしてもこの曲を歌いたかったのだと。
小学部の子供たちは昨年のライブを覚えていたようで
AMADORIが紹介された途端に大喜びです。
この日のパフォーマーの中で唯一、派手なアクションのない彼女のライブ。
ギター1本の弾き語り。
決して激しくギターをかき鳴らすというスタイルではありません。
“ろう学校でライブ”と言うと、ほとんどの人がイメージするのは
音の振動を身体で感じれば、聞こえなくても音楽を楽しめるであろう、、という事。
しかし、僕は言葉、、すなわち“声”を発する時に人が放つパワーみたいなものがあって
CDではなく生で、目の前で心を込めて歌えばきっと何かが伝わるのではないかと思っています。
彼女が歌い始めると、それまでザワザワしていた子供たちはしーんと静まりAMADORIをじっと見つめました。
集中して唄う彼女を見つめる子
ニコニコしてずっと彼女に手を振る子
スクリーンに映し出された歌詞を読んでいる子
もちろん、あまり楽しめずにソワソワしている子もいます。
そしてAMADORIが唄い終わると、
何もなかった体育館にゆらゆらと柔らかい空気が立ちこめてきました。
[BEAUTIFUL WATER / AMADORI]
いつもの朝といつもの街に
それなりにそう 満足はしているけど
泣きたくなるよ空の青さに
君の事を思い出すような日には(思い出せなくて)
ひまわりの畦道
水しぶきの中で観た虹のリング(輪っか)
So beautiful
無邪気なままの君が僕の名前呼ぶ声がする
頬をつたう涙はこの胸にそっとささやくのさSmile again
いま素直になれるよ
ほら 君が笑えば
アスファルトに寝転んでみた
瞬く星を今でも覚えているよ
輝く君のその瞳へと
奇跡が降りて来たような気がしたんだ
夏の大三角も
カシオペヤも 君が教えてくれたね
So beautiful
無邪気なままの君が名前を呼ぶ声がする
どんな夢も叶うと信じてた気持ち取り戻してOnce again
いま 素直になれるよ ほら 君が笑えば
あの風を抱いて
僕は歩いてゆくよ きっと今日も見なれた街を
歩道に咲く花に 笑いかけたりなんかしてさ
明日もきっと 晴れるはず
beautiful water
[ライブ終了後。AMADORIより]
みんなと歌えて良かった。
みんなと笑えて良かった。
去年よりたくさんの元気とチカラをもらって
去年よりたくさんの奇跡が起こって
生きていることに心からありがとうと言いたい一日でした。
来年もまたいちだんと大きくなったみんなに
や〜や〜、元気か〜い?って感じで逢いに行けたらほんとうにいいな。
このライブを企画してくれた先生、門にぃに感謝しています!
共演した、KA LEI LEFUA MAKAMAEのみなさんの妖艶で楽しいフラ、感動しました。
山北健一さんの打楽器のオーケストラ、かっこよくて目が離せませんでした。
プロペラのパワー溢れるライブ、もっと私も頑張ろうっておもいました(笑)!
ほんとうみんなありがとう!!またね!
さて、いよいよライブ。
数日前に確認した週間天気予報では[雨]
前日に確認した天気予報では[曇り]
ライブ当日の天気、、、、[晴れ]
朝から良い予感。
気持ちの良い青空。
僕は10時に学校到着。
最初に到着したのはプロペラ。
リーダーの谷崎さんだけが昨年と様子が違います。
昨年の大宮ライブとは違うけど、普段のライブと同じ。
そう、頭はばっちりリーゼントです。
「今回は気負い一切なし、いつも通りのライブをやります」とのこと。
昨年は学校でのライブという事で普段のエレキギターをアコースティックギターに持ち替えていたギターのトーコさんは
「今年はエレキでいきます」と。
今年で2回目の参加のプロペラは大宮ろう学校の子供たちのパワーを充分に知っているので
「全力で行かないと子供たちのパワーに負けてしまう」と、普段のスタイルで行く事にしたそうです。
気力みなぎるメンバーの表情が頼もしい。
少し遅れて山北さん到着。
山北さんはいろんな楽器を使うので、それを見るだけでも子供たちが喜ぶ顔が目に浮かびます。
山北さんとは僕の個展でセッションしたばかりなのでお互いの気力も充分承知。
目と目が合って「ニヤリ」という感じです。
それからフラダンサーズ[マカマエ]のみんなが到着。
[マカマエ]のメンバーとは友人のマヤちゃん以外はお会いするのもはじめて。
ライブ参加のお礼も合わせてあいさつ。
[マカマエ]のみんなは学校で踊るのは初めてだそうでまずは体育館全体を見回し、
空間を頭に入れてダンスのイメージを作っているようでした。
最後に現れたのは急遽、参加が決まったAMADORI。
実はAMADORIの出演は数日前まで決まっていなかったので
最初に予定されていたタイムスケジュールではAMADORIが歌う時間はありませんでした。
しかし、昨年の大宮ライブの直後に子供たちから貰ったパワーで作った曲があるという事と、その曲をどうしても歌いたいと言うAMADORIの思いと、またAMADORIに会いたいという子供たちの願いを受けたA先生がタイムスケジュールの調整をし直してくれて開演時間を10分繰り上げることでAMADORIの出演が決まりました。
「A先生、AMADORI、どうもありがとう」
これで出演者がすべて揃いました。
今回のライブは特別授業として行われるため平日の3時間目と4時間目。
場所は体育館。
当然、1時間目と2時間目は体育の授業が行われています。
つまり、2時間目が終わった後、設営に入ります。
僕が心配していたのはこの設営時間。
機材や楽器の搬入をしながらPAが音のチェック。
PAが音のチェックをしている間にフラダンサーズは立ち位置の確認。
フラダンサーズが立ち位置の確認をしている間にプロペラのリハーサル。
プロペラのリハーサルの間に段ボールキャンバスのセッティング。
段ボールキャンバスのセッティングの間に山北さんの楽器のセッティング。
山北さんの楽器のセッティングの間にAMADORIのマイクチェック。
この間、僕は校門前に集まってもらった一般観覧の方を迎えに。
みなさんを体育館に誘導するとすでに体育館には子供たちがぞろぞろと集まっていました。
今回のオーディエンスは小学部の子供たちだけじゃありません。
幼稚部の子供たち。
中学部の子供たち。
そして大宮ろう学校のお隣の植竹小学校から障害児学級の子供たち。
準備完了。
ライブスタートです。
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10/19
僕の個展[KADOKOTEN#9]スタート。
「何もない」からはじまり。
早速、来場してくれたいろんな人と一緒にわいわいがやがやと絵を描きました。
ある人とはおしゃべりしながら。
ある人とはただ、ニコニコしながら。
思っていた以上にすごく楽しいです。
なぜ、みんなと一緒に絵を描きたかったかといえば、
僕が大宮ろう学校で子供達と一緒に絵を描いたのが楽しかったんで
大人とも一緒に絵を描いてみたいなぁと思ったからです。
大宮の子供達は僕の絵の上からでも遠慮なく絵を描くけど、
大人の方達は僕が描いてない場所に絵を描きます。
(例外もありますけど)
絵の前に作者と観客がいるのではなく
人と人の間に絵が生まれる。
人がなぜ“表現”をするのか、、、僕には少し見えたような気がします。
やがて、何もなかった会場の壁にはにぎやかな絵が敷き詰められました。
個展中盤。
山北さんとのセッションライブペインティング。
会場にはたくさんの人が集まってくれました。
不思議な形の楽器達と段ボールとクレヨン。
僕も山北さんも特に打ち合わせもなし。
そろそろと立ち位置につきライブスタート。
ボーカリストとのセッションの場合は声や歌詞やメロディーからイメージが浮かんでくる事が多いんですけど
パーカッションだとそれがありません。
衝動的なイメージの断片が瞬間瞬間に浮かんできますが自分でもそれがなんなのかがわかりません。
ただ、リズムの波に乗っかりながらイメージの断片をスケッチしていきます。
頭の中は真っ白。
とっても心地良い真っ白。
ただ感じるのは心臓の音みたいな感じかな、、。
人と人が分かりあおうとする時
最初に探すのは“言葉”
でもここには“言葉”はない
言葉に当てはめようとすれば
それは受け手一人一人が
自分の主観で当てはめるしかない
受け手にゆだねる表現
受け手を信じる事から始まる表現
約1時間のセッションでしたが
すごく刺激的な時間でした。
ライブ終了後、
普段とちがって緊張感に包まれた会場の空気に
「今回のライブは、、もしかしてちょっと分かり難かったかな、、、」と思いながら
恐る恐るお客さんに聞いてみると、とても楽しんでくれたようで安心しました。
中には涙を流している人もいていろんな思いを巡らせてくれた様子でした。
僕と山北さんは「次は大宮ですね」とがっちり握手。
早く大宮の子供達にも山北さんの表現を体験させたい。
個展終盤。
AMADORIから連絡があり、お互いの近況報告。
彼女は当時、いろんな悩みを抱えていました。
僕は適切な答えやアドバイスをあげる事は出来ないけど、僕がこの個展で感じたものが
今の彼女にとって必要なものに思えたので「ひさしぶりに一緒にライブやろう」と提案すると、
「自分のためにも歌いたい」ということで急遽、個展会場にてライブ決定。
11月11日
朝から冷たい雨
鳥が雨宿りにやってきた
雨宿り
雨にぬれた体が乾くまで?
それとも
雨が上がるまで?
今日のライブはアンプもマイクも無し。
セットリストもなし。
準備運動のようにいくつかの歌を断片的に歌いながら
ゆっくりとライブスタート。
僕もAMADORIもお客さんもとてもリラックスしていて
それぞれが重い荷物を下ろし
まるでどこかのアトリエで休憩しているかのようでした。
そこにいた人たちは 偶然集まったわけじゃない
はじまりと終わりはいつも同じ場所にあって
原因と結果はいつも同じ場所にはない
だから僕らは別れ際に
「またね」って手を振る
この日、集まってくれたみんな
「またね」
会場に大宮ろう学校のA先生の姿を見つけたAMADORIは
先生の元に近づきこう言いました。
「やっぱり1曲だけでもいいから大宮のみんなに歌いたい」
時は過ぎ、僕の個展も無事終了
いよいよ大宮ろう学校でのライブが迫ってきました。
山北さんの手の動きや綴られるビート、、、本当にすごい。
いくつもの太鼓を同時に操り、時には目にも止まらぬ早さで複雑なビートを刻み、
まるでメロディーがあるかのように表情豊かな世界を作っていきます。
ここで僕は思いつきました
手は言葉にもなるけど、楽器にもなるってことを
大宮ろう学校の子達にも見せたい
しかし、、個展へのゲスト出演をお願いしたばかりなんで、、、ちょっと頼み難かったんですが
思い切って頼んでみました。
すると、、、「ぜひ、やりましょう」と、あっさりオッケー。
これでロック、フラダンス、パーカッションというバラエティに富んだ出演者が決まりました。
しかも大好きなアーティスト2組に僕もはじめて生で見るフラダンス。
ちょっと想像しただけでもすごく面白い組み合わせです。
僕はなんだかワクワクしてきました。
[LIVE"RING BELLS"]で子供達に経験させたい事は、
いろんな形で表現している人を自分の目で見るという事。
聞こえる聞こえないに関係なく人が集まり、みんなで“思い”を共有するという事。
手話や言葉という表現の”方法”ではなく、人と人とが“心”で繋がりあう事。
この経験を通して、子供達がいつか自分の気持ちを表現したくなった時に
“何が出来ないのか”ではなく、“何が出来るのか”を考えるヒントになったらいい。
子供達が将来、社会に出て“聞こえる聞こえない”の壁にぶつかった時、
あるいは独り立ちした朝、孤独の闇にうつむいてしまった時、
みんなと一緒に心を躍らせ、瞬間でも心を重ね、体全身を振るわせた笑顔を思い出して欲しい。
そう思ってます。
僕はCODA(聞こえない両親に生まれた子供)ということで
ろうあ者、健聴者の両方に話がしやすいということもあって
比較的、いろんな人が僕の話を聞き、感じた事を言ってくれます。
そこで僕が毎回思う事は
頭で理解できる事、言葉が伝える事はいつだってほんの少し
ということ
ある成人ろうあ者は
「健聴者は何でも出来るけど、ろうあ者は何もやらせてもらえない」
と僕に言いました。
あるろうあ者の先生はろう学校の生徒たちに
「健聴者に負けるな」
と言いました。
ある健聴者の方は
「手話が分からないからろうあ者とは話せない」
と言いました。
また、ある健聴者は
「健聴者もろうあ者も聞こえるか聞こえないか以外は同じ」
と言いました。
誰のどの言葉にも悪意は感じなかったし
真剣に考えて話してくれている事が伝わってきます。
でも僕はそれぞれの考えに納得しつつも何か違和感も感じます。
多分、それぞれが間違ってはいなくて、そしてそれぞれが正しくはない。
何となくそう感じます。
それはきっと僕自身もよくわかってないからなんだと思います。
僕自身が健聴者代表ではないし、
CODAだからといってろうあ者の気持ちを代弁できるわけではないので、
僕はただ個人的な思いと経験を組み合わせて想像するだけ。
僕が想像するのは
「人と人の間の境界線」です。
境界線とは何だろう?
性別?
国籍?
顔立ち?
年齢?
障害?
心優しい人はおそらく「そんな境界線はない」と言ってくれるでしょうが、
実際の現実社会には無数の境界線が張り巡らされています。
「「差別」と「区別」をごちゃ混ぜにするな」と言う人もいますが、
「区別」が「差別」に感じられたら、それはどうなんだろう、、、と。
僕はそこに言葉の限界を感じるのです。
言葉は一見シンプルなように見えますが実はそれはあくまで「共通のルール」の上でのみ成立する事。
例えば「日本語」や「手話」という大まかな「共通のルール」の中にさらに細かい「ルール」があり、
「標準語」「東京弁」「大阪弁」「九州弁」、、。
「日本手話」「日本語対応手話」「中間手話」「ホームサイン」などなど、、。
社会的な共感を得るためには複数の「ルール」を身につけることが必至です。
でも、それはあくまで「社会的な共感を得る」と言う目的があればこそ。
人は誰も「社会的」にではなく「個人的」に他人と繋がり、共感を得ながら生活をします。
その「個人的」な繋がりが広がっていく中で「社会的」な繋がりを見つける、あるいは気付くんだと思います。
「まずは「個人的」な繋がりから」
僕は言葉に頼らない共感を模索します。
言葉に頼らないとは「言葉」を排除する事ではなく、
生身の人間が発し、生身の人間が感知する「感覚的」な共感。
そんな“感覚的な共感”を子供たちに経験させてあげたいなぁって思ってます。
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みんなは段ボールに絵を描くのははじめてじゃないので
すぐに思い思いの絵を描き始めます。
今回の絵は「みんなで描く絵」。
だから、誰か一人が完成させる事は出来ません。
自分の描いた絵のすぐ横から隣の人の絵がはみ出してくるので
ちょっとした場所取りのトラブルも起こりますけど、
しばらくすると空いた場所に絵を描き始めます。
アンパンマン
大きな花
犬(キツネかな?)
豚
シマシマの猫
黄色い鳥
僕の似顔絵などなど
あっという間に絵が埋まっていきます。
子供たちはひとつ絵を描くたびに
「見て見て!」と僕や先生に話しかけます。
その時の顔が最高です。
満面の笑顔だったり、得意げだったり、
描いたはいいけどなんとなく納得がいかないような顔だったり、、。
子供たちにとって絵を描く事は
「作品作り」ではなく「遊び」なんでしょうね。
“かけっこ”だったり
“にらめっこ”だったり
僕もみんなにまざって“にらめっこ”な絵を描きたいな。
去年は子供たちみんながひとりひとり床に敷いた大きな段ボールに寝転がって
「友達の絵」や「自分の顔」を描きました。
今年は「みんなで一緒に描く絵」。
そしてキャンバスは床ではなく壁に立てかけた壁のように大きな段ボールです。
絵のテーマは特になし。
僕からの説明は「犬でも猫でも花でも友達や先生の顔でもなんでもいいよ」とだけ。
早速、みんなで描き始めることにします。もちろん僕も一緒。
「楽しい落書き」の始まりです。
3年生の子供たちはみんな絵を描くのが好きなので、
僕が描き始めるとすぐに思い思いの絵を描き始めます。
長い鼻から水を撒くゾウ、高い木の葉っぱを食べるキリン、いろんな色の花、、。
僕が空を飛ぶ鳥と青い空と白い雲を描くと子供たちはそこにカラスや気球や飛行船を、
山を描くと山の頂上に家を描き足しました。
調子が乗ってきたみんなは犬と散歩している自分や大きなバケツ、カモメ、カブトムシ、赤い太陽、黄色い太陽、トンボ、ひまわり、、、。
あっという間に段ボール全体に絵が埋め尽くされてくると男の子は背景の色を塗ったり、空いたところに草を書き足し、「仕上げ」をし始めました。
頼もしい、、。
気がつけば僕や先生からの指導はほとんどなく、子供たちは自然とお互いのスペースを把握してバランスを保っているように見えます。
出来上がった絵はとっても楽しくてキラキラしたものになりました。
それぞれが思い思いに描いたはずなのに不思議と一つにまとまった絵。
仲良しが集まって仲良く一緒に絵を描くとやっぱり仲良しな絵になるのかな?