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「音の出る手」[LIVE"RING BELLS"PART2]その8

[山北健一]
  
ステージには何やら楽しげな楽器。
子供たちは不思議そうに見ています。
一瞬の静寂。
山北さんは目を閉じ、深く呼吸をして集中。
次の瞬間、ダムが決壊したかのように激しいビートが打ち鳴らされ、
ジャンベの音が野性的に響き渡ります。
  

  
山北さんの手はいくつもの楽器を同時に操るので、まるで手が何本もあるかのようです。
子供たちはあっけにとられたような顔で目を丸くしたままじっとしています。
それまで比較的おとなしかった中学生の子たちも身を乗り出して山北さんの手を見つめています。
  

 
大宮ろう学校やお隣の植竹小学校には体が不自由な子たちもいるのですが、
その中の1人の子は、床に響く太鼓の音を感じているのか、
床に寝そべり、じわじわと体をくねらせて山北さんに近づいていきました。
  

  
山北さんはとても不思議な人で、
演奏を始めると、、、何か体からユラユラとパワーというか熱というか、、
上手く言えませんけど、、何かが出てます。
僕は彼とセッションするたびにそのユラユラに包まれます。
ここにいた人たちの中にもそのユラユラを感じた人も多いのではないかな、、?
  

僕は子供たちに、
手は言葉にもなるし、楽器にもなるということを見せたかった。
  
今回、初登場のフラダンス、パーカッションで“手”が「踊る」ところを見て、
何か感じてくれてたら良いなぁと思います。
  

  
[ライブ終了後。山北健一より]

この日は、少し寒かったですがほんとにいいお天気に恵まれました。
授業の中で行われるため朝はいつもより早起きしました。
普段はライブハウスやクラブ、野外イベントなどで演奏しているので体育館はどんな響き方をするのか楽しみでした。
セッティングを終え少し音をだしてみると床全体も振動しソロ演奏には好感触。
ライブはAMADORIさんの優しい歌に始まり、フラダンスのKA LEI LEHUA MAKAMAE さんではみんな参加してなごやかな雰囲気に包まれました。
次にパーカッションのライブ。
一曲目が終わると熱い拍手をいただきました。
確信した私は集中力がとぎれることなく最後まで演奏できました。
次にストレートなロックバンドPROPELLRさん。
一曲目からみんなの心をとらえ、その盛り上がりはとどまるところを知りませんでした。
あっというまに最後の曲になり、立ち上がり踊り最高潮に達しました。
大きなキャンバスには門さんの思いとミュージシャン、リスナーがリンクしたコラボレーションの記録として刻まれました。
今回は通常の授業の中ということで時間に制限がありましたが
アーティストもリスナーも最後まで集中でき充実したパフォーマンスが出来たのではないかと感じました。
2006年11月24日に演奏を聴いてもらい、卒業し何年かが経ち、いつかどこかのライブハウスやクラブで再会出来たら素敵だなぁと思いました。
  
  
山北健一(パーカッショニスト)



「みんなで描く絵」[LIVE"RING BELLS"PART2]その7


マカマエのフラダンスが終了し、前半終了。
子供たちはここでいったん休憩。
スタッフは山北さんの楽器のセッティングに入ります。

休憩に入ったとたん男の子が一人、キャンバスの前にやってきてクレヨンを拾い
絵を描こうとしました。
側にいた先生に止められたんですが、僕が「描いていいよ」と言うと、、
凄い勢いで最近、覚えたのであろう”漢字”を次々と書きはじめました。
(漢字がお経のように見えて、僕の絵がなんだか仏画になっていくようでおもしろい)


それを見ていた他の子供たちもドドッとキャンバスに向かって走り出し、
キャンバスの周りはさながらバーゲンセール会場のようになりました。
我先にとクレヨンを持ち、絵を描きはじめる子。
文字を書く子や僕の絵に色を塗る子、グルグルやグチャグチャを描く子。
みんな大興奮です。

最初のうちはやんちゃな子が他の子を押しのけたりして無法地帯のようになるんですけど
そのうち大きい子が小さい子にクレヨンを渡してあげたり、絵を描くスペースを作ってあげたり。
僕や先生が何も言わなくてもちゃーんと仲良くしてました。
こういった光景は僕の授業の中でもよく見られる光景です。

1クラスの人数が少ないせいもあるのかもしれませんが
子供たちは普段の教室でのコミュニケーションの中でお互いの性格をよく知っています。
さらに大宮ろう学校では学年の違う子供たち同士の交流も多いので、高学年の子たちが
自然と低学年の子たちのサポートをする場面もよく見ます。
この日のように、ライブで興奮した状態の中でも子供たちはみんなニコニコして
みんなが仲良く1つになっていました。

僕はこの光景に出会うたびに涙が出そうになります。
なんだか幼き日の父や母に会えたような気がして。
なんだか子供たちが光り輝く未来を見せてくれているみたいで。

心から
「みんなどうもありがとう」





さて、
いよいよ後半スタート。
山北健一さんの登場です。



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